解体工事

愛媛県西条市 O 様邸 愛媛県西条市 O 様邸 【2005年05月完成】 手刻み仕様
ベニヤ板(合板)・ビニールクロスを一切使用しない 自然素材の健康住宅



解体工事で思う…先人の仕事ぶり

O様邸は昭和25年、物資の乏しい時代に苦労をされて小さな家を建てられました。その後、家族も増えたため、増築をされたそうです。物資の乏しい時代に簡単な材料と施工方法で建てていたので、傷みも大分ひどくなっており、トイレやお風呂その他の水回りも当時のまま使用していたため、このたび思い切って新しく建て替えることにしました。

築後数十年経過した古い建物でも、造りを工夫し日本の風土木の特性を活かして建てられた家は、長い年月を経過してもしっかりとした状態を維持し続けています。

こうした先人の知恵や仕事ぶりに出会うことがあります。

今回は、O様邸の新築工事終了までの住まいとして残しておいた旧家を、工事終了後に解体した際にうかがい知ることができた「先人の知恵や仕事」に触れてみたいと思います。

new_02_01_01.jpg
■基礎の様子
石の上に柱を乗せただけの簡単な工法ですが、築後60年以上も経過しているにもかかわらず、柱は腐朽することもなく、現在もしっかりと家を支え続けています。 new_02_01_02.jpg
■地元の木材を大切に無駄なく使用する心
new_02_01_03.jpg
new_02_01_04.jpg

木材は地元の山で切り出したもので間に合わせています。柱は桧材、差し物や梁丸太は地松材、その他の小屋組み材はほとんど丸太のまま使用しています。

大きな差し物は、屋根の重量も支え筋交いの役目もしています。(昔の差し物の入っている建物には、現在のような筋交いは入っていません。)

数少ない材料を大切に使い、大きな節があっても上手に使用しています。

自然乾燥の大切さ new_02_02_01.jpg

上の写真は「柱」となる材木です。柱は1年以上掛けて自然乾燥させます。

何故このような長い時間を掛けて「自然乾燥」を行う必要があるのでしょうか?

それは、自然乾燥により、材木の中の水分を時間を掛けてゆっくりと抜いていくことにより、1本1本育った環境によって異なる「木の性格」が、材木となった後に次第に「ねじれ」や「曲がり」となって現れてきます。

この様に「ねじれたり」「曲がったり」した材木は使用せず、素直な材木だけを厳選して「柱」に使用するのです。

生きた木の「性格」を正確に見抜くために、「自然乾燥」はとても大切な工程なのです。

■柱と大黒柱
new_02_02_02.jpg

曲がった柱もまっすぐに直して使うことも可能です。

しかし、前述の通り、曲がるのはその木の持つ「性格」ですから、直してもまた長い年月を掛けて徐々に元のように曲がってしまいます。

ですから、何年も念入りに乾燥させて、それでも曲がらない素直な性格の木を「柱」として使用するのが、やはり一番の方法であると言えます。

また、機械を使用して短時間で乾燥させることも可能です。

ですが、短時間で乾燥させた木は急激に水分を抜くため、その時点では「曲がったり」「ねじれたり」する間も無く乾燥してしまいます。

つまり、この方法では本来の「木の性格」を見抜くことが難しいのです。

この場合、「柱の目」を見て、どのような性格(曲がり、ねじれ)かを判断し、適材適所に使用する力量が大工には必要になってきます。

木の性格を無視して使用しますと、家を建てた後で曲がり始め、隙間がたくさん出来てしまうという結果に陥る可能性があります。

「木の目」を見て仕事が出来る人が少なくなった昨今、曲がりの問題を回避する為に「集成材」の柱を用いるようになってきているのが現状のようです。

【集成材とは】
一定の製造基準に基づいて人工乾燥し、大きな節やひび割れなど木の欠点を取り除いた挽板(ラミナ)または小角材を木目にそって、長さ・幅・厚さの方向に集成・接着した加工木材の建築材料のことをいいます。 正岡工務店では、集成材の柱は一切使用せず、自然の無垢材のみを使用しています。「柱の目」を読み「木の性格」を見抜き、そして「適材適所」を判断してその木材が最も活きる場所で使用することを信条の一つとしています。
解体工事の様子 長年住み慣れた家を、建て替えのために解体していきます。
new_02_03_01.jpg
new_02_03_02.jpg

■これまで家を支えてくれた柱
増築した部分を撤去すると、元々の建物部分が現れました。
石の上に柱を乗せるという簡単な工法なのですが、築後55年も経過した今でも全く腐朽していませんでした。 new_02_03_03.jpg
地鎮祭の様子 地鎮祭は、着工にあたり敷地の守護神を祭って祓い清め、敷地の安定と工事の安全を祈願する祭事です。
new_02_04_01.jpgnew_02_04_02.jpg
基礎工程 基礎部分の鉄筋を組んでいる様子です。 new_02_05_01.jpg
地鎮祭の時に地の神様をお呼びして末永くその土地を守っていただけるようにお願いをした鎮め物(しずめもの)です。 new_02_05_02.jpg
基礎工事が始まるまで神棚にお奉りをして大黒柱の下に埋めるのですが、最近の大黒柱がない家の構造の場合は床柱の下に鎮め物を埋めます。 new_02_05_03.jpg
■基礎が完成した様子
基礎が完成しました。 new_02_05_04.jpg

●GLから天端まで63cm
●基礎幅 15cm
●ベース厚 15cm

【GLとは】グランドレベルの略で地盤面の高さです。


切組工程

「切り組」とは、木造建築で、柱・梁(はり)などを所定の寸法・形に加工し、組むことを言います。

「墨付け」とは、木材に切る場所や削る場所などがわかるように目印を付ける作業のことです。
これを間違うとすべてが狂ってしまうだけに、非常に重要しく責任い仕事です。
従って、その多くは棟梁が担う仕事となっています。

■墨付け前の下ごしらえの様子
new_02_06_01.jpg
new_02_06_02.jpg
上の写真は、その「墨付け」前の準備作業です。 new_02_06_03.jpg
上の写真は「図板-ずいた」で、平面図と小屋伏せ図を板に書き、この図板一枚で墨付けを行なっていきます。 まさに「墨付け」は、大工の命です。 new_02_06_04.jpg
建前の準備 new_02_07_01.jpg
土台の穴を貫通させ、柱のホゾを基礎に取り付けます。土台は横木で使うため、直接重量を掛けると凹んでしまいます。そこで、柱に掛かる重量を土台と基礎とに分散させるため、土台の穴を貫通させ、柱のホゾを基礎に取り付けるのです。
また、ホゾの部分だけではなく継手の中にまで丁寧に防腐剤を塗ります。
new_02_07_02.jpg
new_02_07_03.jpg

土台が直接基礎に触れないように、基礎と土台の間に防水材料のアスファルトルーフィング(23kg)を敷き詰めます。 new_02_07_04.jpg
建前工程 2004年11月25日(木) 大安吉日のこの日、いよいよ建前の「柱立て」が始まりました。 new_02_08_01.jpg
new_02_08_02.jpg
new_02_08_03.jpg
new_02_08_04.jpg
new_02_08_05.jpg

new_02_08_06.jpg

小屋組みが出来上がり、垂木(たるき)を取り付けて建前が無事終了しました。
気持ちばかりのお供え物をし、工事の無事と家の繁栄を祈願します。

屋根じまい工程 new_02_09_01.jpg
new_02_09_02.jpg

垂木を取り付ける間隔は、わずか237mmと 片足しか入らない程細かく施工します。 木材は、桧の一等材(60mm×60mm)を使用します。


の重みをしっかりと支えるために、棟と直角に柱と柱の間に渡した横木が(はり)。永年にわたってしっかりと支える梁は、どっしりとした力強い安定感と存在感を示します。 new_02_09_03.jpg
軒の出を瓦の先まで1mにします。(1mを超えると超えた分が坪数に加算され、建築面積が増えて課税対象となります。)
new_02_09_04.jpg
new_02_09_05.jpg

金物に頼らず“木には木”という考えで「込み栓打ち」にしています。
new_02_09_06.jpg
new_02_09_07.jpg

全体の仕上がりの様子です。これで「屋根じまい工程」は終了です。これからは瓦葺き工事に掛かります。 new_02_09_08.jpg
new_02_09_09.jpg

上の写真は神様をお祭りしている様子です。
建前の時に棟祭りをして、工事の無事とご家族の繁栄を祈願した守護御札を家の中心に取り付けてお祭りします。

外装工程 ■腰板張りの様子
自然乾燥させた桧材の板を、晴れの日が数日続く時を見計らって直射日光に当てながら張っていきます。こうすれば雨や湿度、温度差などの気候の変化にも隙間が出来にくくなります。 new_02_10_01.jpg
new_02_10_02.jpg

また、腰板の下地材にも桧材を使用して30cmの間隔で入れていきます。30cm以上開けると、長い年月の間に反りが出来やすいためです。

■庇(ひさし)の様子
少し節はあるのですが、すべて桧材で仕上げています。軒と同じように深く出しています。new_02_10_03.jpg
new_02_10_04.jpg

腰板も張れ庇も付いて外装周りの大工仕事が完了しました。次は、左官工事に取り掛かります。

内装工程 ■材料の準備
造作材は、すべて無垢の桧材を加工したものを使用します。 new_02_11_01.jpg
new_02_11_02.jpg

上の写真は、鉋(かんな)削りやその他の作業をする台で定盤(じょうばん)という大工の大切な道具の一つです。

■施工の様子
●和室の様子
間仕切り吊り束(つりつか)を取り付けている様子です。何十年先でも調整が出来るようにしています。 new_02_11_03.jpg
壁や天井の下地を施していきます。 new_02_11_04.jpg
●縁側の様子
new_02_11_05.jpg
断熱材の様子
new_02_12_01.jpg

壁の中の空間(120mm)を二等分し、断熱部分(断熱材75mm使用)と通気の為の空間を確保します。また、床下から壁の中への通気をよくするために、土台部分に隙間を作っています。


new_02_12_02.jpg

床下から壁の中を経由した空気が天井裏へと流れるように、壁の上部にも隙間を作ります。

湿度が多くなる時期には、屋根裏の温度が上昇し、先程確保した空間を伝って床下から天井裏の外部通気口へと自然な空気の流れが発生します。

こうした工夫で湿った空気を床下や壁、天井裏に溜め込まず、常に新鮮な空気を自然循環させることにより、結露などによるカビの発生や木材の腐朽から家を守ります。

壁の中の空気層は、とても大切で重要な役割を果たしているのです。


new_02_12_03.jpg

この非常に大切な壁の中の空間(120mm)は二分割され、断熱材を入れる空間は、下地材の厚みを差し引いて約50mmを確保します。

この50mm前後の空間に、厚み75mmの断熱材を入れていきます。

空気の流れる空間を確保する一方で、内装の壁材と断熱材の隙間を遮断することで、断熱効率の向上と、経年変化による断熱材のズレ落ちを防ぎます。

内装の壁材と断熱材の間に隙間があると、時間の経過と共に吸水し重さを増した断熱材の自らの重量と重力の作用により、次第に断熱材が下部にズレ落ち、壁の中に断熱材が無いのと同じ状態になっている家をリフォームの現場などで目の当たりにしてきました。


経年変化でも機能し続ける施工が重要だと正岡工務店は考えます。

仕上がりの様子 ■和室 畳下地
和室の畳下地には桧の無垢板を張り、藁(わら)100%の畳を敷きます。下地板は隙間が出来ない程度に張り、畳自身の呼吸で室内の湿度を調節するようにしています。(下地板に合板を使用したり、発泡スチロール素材の畳では全く呼吸しません。)
new_02_13_01.jpg
new_02_13_02.jpg

■洗面所とトイレ
洗面所の床は、桜無垢材のフローリングを張り、壁と天井は桧の無垢材で仕上げています。
new_02_13_03.jpg
new_02_13_04.jpg

トイレは毎日使用する場所なので、幅1430mm 奥行1910mmと少し広めにしました。暖かみとやわらかさを感じて頂けるよう、腰壁に桧の無垢板無塗装で仕上げました。

■座敷
天井の高さも2850mmを確保し、ゆったりと広々としたくつろぎの空間を創り出しています。 new_02_13_05.jpg
■玄関・ホール
玄関の床はタイル張り、上り框と式台を取り付け、式台の上に玄関収納を取り付けています。 new_02_13_06.jpg
ホールは桜無垢材のフローリング仕上げ、天井は組み天井で仕上げました。 new_02_13_07.jpg
外装仕上工程 new_02_14_01.jpg
■犬走りの様子
犬走りを基礎の外側より80cmと広めに確保し、ひび割れ防止と基礎との一体化を図るために鉄筋を入れています。
new_02_14_02.jpg
new_02_14_03.jpg

new_02_14_04.jpg
new_02_14_05.jpg

施主様と御家族の皆様の益々のご繁栄とご多幸を心よりお祈りいたします。

知って得する魔法の“小冊子”限定プレゼント!

  1. ホーム
  2. 素敵だね~新築 実績状況解体工事