2014年9月16日

雨漏り点検

愛媛県四国中央市 M 様邸 愛媛県四国中央市 M 様邸 【リフォーム工事(住まいのメンテナンス対応事例)】 ・雨漏り点検
・瓦の葺き替え
◎築50年
◎平屋建木造軸組工法


雨漏り点検 ■瓦の様子
梅雨のはじめの大雨で、かなりひどい雨漏りになった…とのことで、点検のご依頼がありました。
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破風の下から奥には、本来瓦があるはずなのですが、なぜかありませんでした。 これでは、確かに大雨の時は雨漏りになります。
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普通なら尾の止に雨水が流れるようにトンネルを造るのですが、これもありません。 瓦自体は悪くはないのですが、職人の腕が悪かったようです。
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雨水が溜まって土が水を吸い、粘りがなくなって瓦が下がってしまっています。
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先人の知恵

愛媛県四国中央市 M 様邸 愛媛県四国中央市 M 様邸 【リフォーム工事(住まいのメンテナンス対応事例)】 ・雨漏り点検
・瓦の葺き替え
◎築50年
◎平屋建木造軸組工法


先人の知恵 ■感謝の気持ち
50数年間、雨風に耐えてきた瓦に感謝の気持ちを込めて、お酒でお礼をして瓦を除けていきます。
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■材木の様子
タル木、母屋、梁丸太、桁、他の材木など、すべて桧材を使用しています。
黒くはなっているのですが、腐食もなくしっかりしています。
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■隅木(振れ隅おさめ)
隅木(すみぎ)は、入母屋造りや寄せ棟造りなどの屋根の四隅で、屋根勾配に合わせて軒桁や母屋に対して45°に取り付けられる小屋組の部材です。一般的には45°に収めますが、屋根の美観を考え、棟梁の個性が加味されて、隅木を半分、1本、1本半と振って、屋根地と妻屋根の勾配を変えます。
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■真鎌継(しんかまつぎ)の様子
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■長ホソの様子
桧材(105mm×210mm)の桁は、上場までホソを伸ばしています。
※この地域は《やまじ風》という、台風より強い風の吹くところですので、小屋組を頑丈にしています。
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■火打梁(ひうちばり)
火打梁の先端に蟻ほぞを作り、土台木に作った蟻穴にはめ込む、大入蟻落が見られます。 Re_16_02_08.jpg

【火打梁】とは
地震や台風の際、水平方向に変形するのを防ぐために斜めに入れる梁のこと。 1階の床に設けるものを「火打土台」、2階の床や小屋組に設けるものを「火打梁」と言います。

■図板(ずいた)
図板には各部の寸法が書いてあり、大工が修理や増築の際に役立つようにしてあります。 これからも末永く使っていただきたいという思いを込めて、当時のままの状態で残しておきます。
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■外装の様子
土台・柱は桧材の化粧仕上げで、腰板には杉板を使っています。 50数年経った今でも、黒くはなっていますが、腐食することもなくまだまだしっかりしています。
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屋根替えのご依頼があった際、風の強いこの地域で、50数年前の、金物に頼らない先人の大工仕事をこの目で見ることができると、とても楽しみにしておりました。

実際に目にした時、50年以上もの間、大きな修理を必要とすることもなく、外装の修理も最小限度で済む、先人のこの仕事に「住まい造りの原点」を感じずにはいられませんでした。

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瓦葺き替え工事

愛媛県四国中央市 M 様邸 愛媛県四国中央市 M 様邸 【リフォーム工事(住まいのメンテナンス対応事例)】 ・雨漏り点検
・瓦の葺き替え
◎築50年
◎平屋建木造軸組工法


瓦葺き替え工事 点検をしながら野地板を張り替えていきます。
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築でも、築50年の家屋でも、今と変わらぬ大工の仕事があります。 それは、釘打ちに見られる「千鳥打ち」です。

【千鳥打ち】とは
タル木の破壊を防ぐために釘をジグザグに打つこと。
先人から受け継がれる釘の打ち方。


現状のハフ板も使えなくはないのですが、今後のことを考えて、新しく造り替えることにしました。
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格子からの雨漏りを防ぐため、木連格子から今回「漆喰塗り壁」に変更します。
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尾の下の水抜きのトンネルです。
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ハフのスミ納まりの様子です。
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美しい瓦仕上げの様子です。
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これで瓦の葺き替え工事が完了しました。

この地域特有の、台風よりも強い《やまじ風》が吹いても安心して暮らしていただけるように、気持ちを込めて仕事をさせていただきました。

最近では墨が付けられない…ノミやカンナも使いこなせない…大工が増えています。

この家をメンテナンスする過程で、先人たちが残した仕事ぶりから、大工が本来大切にしなければならない仕事をたくさん見せていただきました。
改めてその大切さを強く再認識させてくれた先人の大工たちに、そして施主様に、感謝の意を表します。心から、ありがとうございました。

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住まいのメンテナンス 対応事例(No.3:瓦葺き替え工事)

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点検をしながら野地板を張り替えていきます。

築でも、築50年の家屋でも、今と変わらぬ大工の仕事があります。
それは、釘打ちに見られる「千鳥打ち」です。

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【千鳥打ち】とは
タル木の破壊を防ぐために釘をジグザグに打つこと。
先人から受け継がれる釘の打ち方。

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現状のハフ板も使えなくはないのですが、今後のことを考えて、新しく造り替えることにしました。

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格子からの雨漏りを防ぐため、木連格子から今回「漆喰塗り壁」に変更します。

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尾の下の水抜きのトンネルです。

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ハフのスミ納まりの様子です。

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美しい瓦仕上げの様子です。

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これで瓦の葺き替え工事が完了しました。
この地域特有の、台風よりも強い《やまじ風》が吹いても安心して暮らしていただけるように、気持ちを込めて仕事をさせていただきました。

最近では墨が付けられない…ノミやカンナも使いこなせない…大工が増えています。

この家をメンテナンスする過程で、先人たちが残した仕事ぶりから、大工が本来大切にしなければならない仕事をたくさん見せていただきました。
改めてその大切さを強く再認識させてくれた先人の大工たちに、そして施主様に、感謝の意を表します。心から、ありがとうございました。

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住まいのメンテナンス 対応事例(No.2:先人の知恵)

■感謝の気持ち

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50数年間、雨風に耐えてきた瓦に感謝の気持ちを込めて、お酒でお礼をして瓦を除けていきます。

 材木の様子

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タル木、母屋、梁丸太、桁、他の材木など、すべて桧材を使用しています。
黒くはなっているのですが、腐食もなくしっかりしています。

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 隅木(振れ隅おさめ)

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隅木(すみぎ)は、入母屋造りや寄せ棟造りなどの屋根の四隅で、屋根勾配に合わせて軒桁や母屋に対して45°に取り付けられる小屋組の部材です。一般的には45°に収めますが、屋根の美観を考え、棟梁の個性が加味されて、隅木を半分、1本、1本半と振って、屋根地と妻屋根の勾配を変えます。

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 真鎌継(しんかまつぎ)の様子

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 長ホソの様子

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桧材(105mm×210mm)の桁は、上場までホソを伸ばしています。
※この地域は《やまじ風》という、台風より強い風の吹くところですので、小屋組を頑丈にしています。

 火打梁(ひうちばり)

火打梁の先端に蟻ほぞを作り、土台木に作った蟻穴にはめ込む、大入蟻落が見られます。

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【火打梁】とは
地震や台風の際、水平方向に変形するのを防ぐために斜めに入れる梁のこと。
1階の床に設けるものを「火打土台」、2階の床や小屋組に設けるものを「火打梁」と言います。

 図板(ずいた)

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図板には各部の寸法が書いてあり、大工が修理や増築の際に役立つようにしてあります。
これからも末永く使っていただきたいという思いを込めて、当時のままの状態で残しておきます。

 外装の様子

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土台・柱は桧材の化粧仕上げで、腰板には杉板を使っています。
50数年経った今でも、黒くはなっていますが、腐食することもなくまだまだしっかりしています。

屋根替えのご依頼があった際、風の強いこの地域で、50数年前の、金物に頼らない先人の大工仕事をこの目で見ることができると、とても楽しみにしておりました。

実際に目にした時、50年以上もの間、大きな修理を必要とすることもなく、外装の修理も最小限度で済む、先人のこの仕事に「住まい造りの原点」を感じずにはいられませんでした。

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住まいのメンテナンス 対応事例(No.1:雨漏り点検)

■瓦の様子

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梅雨のはじめの大雨で、かなりひどい雨漏りになった…とのことで、点検のご依頼がありました。

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破風の下から奥には、本来瓦があるはずなのですが、なぜかありませんでした。
これでは、確かに大雨の時は雨漏りになります。

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普通なら尾の止に雨水が流れるようにトンネルを造るのですが、これもありません。
瓦自体は悪くはないのですが、職人の腕が悪かったようです。

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雨水が溜まって土が水を吸い、粘りがなくなって瓦が下がってしまっています。

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